12 あ・り・が・と・うⅡ
『あ・り・が・と・う』の炭材バージョンです。 この作品は2015年に名古屋中日ビルで『第一回 鉛筆のちから』展出品作です。 この頃を大きな節目として油彩筆を置き、現在の『炭材画』に移行しました。 同じ題材であっても油彩画とは全く異なるインパクトを与えてくれます。 油彩による細密画はともすれば「写真」で代用できるのかも知れませんが、モノクロ画に於きましては中々難しいものがあります。 カラー写真を白黒にコピーしてみると判り易いのですが、暗い部分はほぼ真っ黒になってしまいます。 彩色画では影のグラデーションはいくらでも表現できますが、モノクロ画ではそう簡単ではありません。 物理的に黒いものも影も一色によって表現しなければなりません。 これをマスターしないとリアルなモチーフの現出は不可能となります。 属に鉛筆画といえば、当然ながら通常鉛筆の作品ですが、10Bの濃さで描いても所詮、鉛筆には変わり在りません。 でも『炭材』は全く別物です。 原料は炭ですから似て非なるものです。 鉛筆画は相当描きましたが、炭材はそう簡単な技法ではありません。 鉛筆でできる簡単なボカシも、消し作業も炭だと苦労します。 先ず、紙に指紋が付いたらアウトです。炭材画は題材も選びます。 風景画などには適しませんが水墨画的なものは可能だと想えます。 まあ、わざわざ、水墨画を描く必要性はありませんが、チャレンジしたらまた思わぬ面白さが発見できるかも知れませんが。 油彩画以降、モノクロ画は全て炭材による作品となります。 彩色画とは異なった、レトロ感覚を味わって頂けましたら幸いです。 この作品、やはり油彩画に比べ重く感じましたから、サインでお茶目感を表現してみました。
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サイズ F20号 727x606 板パネル・紙・炭材細密画
450,000円(額装・税込み価格)